日本は大麻の国なのです。
私たちの祖先は 1 万年前から大麻を栽培し、着物をはじめ、暮らしに必要な様々な物を作って生きてきました。
しかし今、このことを知る人はほとんどいません。日本の現在の大麻の自給率は 1%以下。
厚生労働省のHPによれば、2016 年の栽培面積は約 8ha、栽培人口は 37 人というのが現状です。[1]
この状況の中では日本の大麻栽培は「精麻[2]」の生産に限られ、機械化が進まないまま、苧績(う)み(糸作り)の技術は絶えようとしています。
私たちは長年、日本の苧麻の繊維や韓国の大麻の繊維を中国で苧績みする仕事を続けてきました。今、ようやくその成果が表れてきたところです。併せて、残されていた越中布(大麻布)の手績みの糸を、日本の錘機で織ることも出来ました。
しかし、伝統の大麻布を、いつでもどこでも誰もが着られる布にするためには「苧績み」を機械化(紡績)することが、現在では不可欠です。「日本の大麻を国内で紡績し、日本の藍で染めたジーンズを作る。」 日本の大麻が世界に繋がる道です。
この状況の中で、2021 年 4 月 23 日に「大麻等の薬物対策のあり方検討会」が開かれ「大麻取締法」の運用の見直しが行われました。これに伴って、大麻の栽培への新規参入の可能性が大きく広がったのです。[3]
若い人たちが大麻栽培に参入し、大麻の紡績技術の研究が更に進んで、日本の中で高品質の紡績糸を作ること が出来れば、誰もが気軽にはける国産の大麻のジーンズが、近い将来必ず誕生するに違いありません。私たちはここに向けて動き出しました。
[1] https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193867.html
[2] 日本の精麻 : 精麻(せいま)とは、大麻の茎から取れた皮から表皮を取り除き、靱皮部分を取り出したもの。 独特の光沢を持つ強靭な繊維で、麻といえば、かつてはこの精麻を指した。
[3] https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syokuhin_436610_00005.html